研究開発型の助成金は、主に経済産業省が中心となって、その外郭団体などや、都道府県などが公募しているものです。
この助成金は、新製品や新技術、新サービスの研究開発を実施する際の研究開発費を補助することを目的としています。また、研究開発費を補助する助成金だけではなく、中には、新しいビジネスモデルを事業化するための広告宣伝費や、産業財産権の取得権を取得するための費用を補助するものもあります。対象となる開発費や研究費などを補助する、といった意味合いから、研究開発型の助成金は補助金とも呼ばれています。
日本の高度な技術は、全国の中小企業が支えているといっても過言ではありません。しかし、中小企業は規模が小さいことから、大企業に比べて研究開発に掛けられる予算に制約があります。そこで、国は中小企業が高度な技術開発に着手することを支援するため、研究開発型の助成金を公募しているのです。雇用関係の助成金は数十万円が中心となっているのに比べ、研究開発型の助成金の受給額は500~5,000万円が中心となっており、非常に金額が大きいことが特徴です。
研究開発型の助成金には、応募の締切日があります。締切日までに応募された申請書類に対して、助成金を公募した機関が書類審査を行います。締切日を過ぎてから提出された申請書類は受け取ってもらえませんので、事前に申請書を完成させるなどの準備が必要です。
書類審査を通過し、優秀と思われる申請書を提出した企業に対して面接を実施し、最終結果を出します。最終結果に選ばれた企業が、助成金・補助金をもらう権利を得ることができます。つまり、研究開発型の助成金をもらうためには、書類審査と面接、2つの審査に合格する必要がある、といった別の会社との競争に打ち勝ってもらう助成金なのです。この点が、条件に合えば高い確率でもらうことのできる雇用関係の助成金と、大きく異なります。
助成金をもらうまでの競争倍率は、助成金の種類によって異なりますが、10~20倍のものが中心となっています。
先に研究開発などの経費を使い、その金額に応じて助成金が支給されます。そのため、受給時期は申請してから1年以上先になることもあります。また、申請不備や虚偽報告などがあると不正受給とみなされ、返済義務が生じる場合があります。