公的融資について
一般的に公的融資制度とは、各都道府県(一部横浜、名古屋など特定政令都市)に設けられている信用保証協会を利用した制度融資と、政府系金融機関である日本政策金融公庫を利用した融資のことを言います。
都道府県や区市町村が、それぞれの区域内に所在する中小企業に対して設けている融資制度です。 制度融資を受けるためには、信用保証協会による信用保証が必要となります。 都道府県や区市町村によっては利子補給をしていることもありますので、まずはこの制度融資が使えないかどうかを確認することが重要です。
主に個人事業主、創業者、売上高5億円程度位までの中小企業を対象に融資を行っている国民生活事業(旧国民生活金融公庫)と、売上高5億円程度以上の中小企業を対象にした中小企業事業(旧中小企業金融公庫)、農林漁業者を対象にした農林水産事業(旧農林漁業金融公庫)の3事業があります。
それぞれ対象分野の違いはありますが、民間金融の補完機能を果たしています。 長期固定金利や据置期間のある有利な融資制度となっていますので、まずは相談してみることです。
公的融資を受けるためには、基本となるポイントがあります。
ポイント1 | 社長自ら金融機関等に説明をし、やる気と信用を得る。 |
ポイント2 | 事業計画と資金繰り計画をしっかり立てる。 |
ポイント3 | ポイント2に関連して、返済計画をしっかり立てる。 |
ポイント4 | 商工会、商工会議所を利用する。(経営指導員の指導を受ける) |
ポイント5 | 要求された資料は素早く提出する。 |
ポイント6 | 業績(決算など)の説明を定期的に行い、経理内容を明確透明にしておく。 |
事業計画書、返済計画書 | 公的融資の場合は、通常の民間プロパー融資以上に厳密な事業計画書と借入返済計画書を作成することが必要。 事業計画は、希望的観測に基づく計画ではなく、具体的に販売先、仕入先等を説明できるような事業計画にする。また、返済計画は事業計画との整合性を十分に考慮し、利益と減価償却で返済できるような計画が望ましい。 |
担保関係書類、保証関係書類 | 担保に関する謄本や、保証関係者との意思について、しっかりと確認を行うこと。 |
登記簿謄本や決算書 | 謄本に記載された事業についての許可や承認を得ているか、また、法令に違反していないか等をチェックされるので、前もって調べておくこと。 決算書については、各勘定科目明細をきっちりと把握し、説明できるようにしておくこと。 |
納税証明 | 法人税、消費税、源泉税などの納税証明の提出は、必ず求められるので、公的融資を受ける前に完納しておくこと。 |
これらのポイントを押さえて、書類を作成・提出することが、公的融資を受ける上で重要になってきます。